未経験の種目の運動部の顧問になったときに心がけること

運動部 未経験 顧問

中学や高校の教師にとって、部活の顧問を行うことも大きな仕事の1つです。
自分自身が経験したスポーツの種目の顧問になることが理想でしょう。
しかし、現実には未経験の運動部の顧問にならざるを得ないケースが非常に多いと思われます。

 

未経験の運動部の顧問になった場合にはどうやって指導していけばよいのか?
そのヒントとなる5項目について述べたいと思います。


クラブのマネジメントをしっかりと行うことに徹する

部活の練習場所(校内・校外)を確保する、他校の顧問の先生と連絡を取り、練習試合・合同練習をアレンジする、外部からの指導者・コーチを探して依頼する、試合を含めた年間計画を立て、それを実行するためのサポートを行うなど。
そのスポーツの技術的指導ができなくても、顧問として、運動部をリードしていくうえで行えることをこなすということです。

余計な技術的指導は行わない

運動部 未経験 顧問

分かっているのに行ってしまいがちなのが、未経験の種目なのに技術的指導を生徒にしてしまうことです。
指導を受ける生徒にすれば、「分からないくせに見当違いな指導をしないで!!」という反発を受けてしまいます。
特に、細かい技術的指導に関しては、キャプテンや上級生に対し、「俺は未経験者だから、技術的なことは全く分からん。お前たちに任せる」というスタンスを保つのがよいでしょう。

 

とはいうものの、その運動部の部員全体の技術レベルが低く、ほとんど練習の体をなしていないという場合もよくあります。
とくに、自分自身は他種目の経験があったという顧問の先生の場合、部員の練習のまずさがどうしても目に付いてしまい、ついつい口を出してしまいたくなるかもしれません。
しかし、それでもやはり、その種目の専門的なことはわかりませんから、自分の考えを押し付けるのはやめておいたほうがよいでしょう。

 

こういった場合に有効なのが「外部の有力者の意見を取り入れる」ということです。
生徒にとっては、未経験者の自分の部の顧問のアドバイスは(たとえ的を得ていても)素直に聞けなくても、有名コーチのアドバイスなら聴く耳があります。

 

しかし、著名な指導者に直接指導を受けるというのが現実的に難しい場合がほとんどでしょう。
そういった指導者によって作られた指導用DVDを利用するというのはどうでしょうか?
部員の中でも上級生と一緒にスポーツ指導用のDVDを視聴し、生徒に考えさせ、練習メニューを一緒に考えて組んでいくというのは、生徒の主体性や自主性を引き出すうえでも、かなり効果的な方法です。
レベルの高い「お手本」を与え、それをどう活かすかは生徒自身に考えさせる、そして顧問としては、生徒の思考を手助けする、ということです。

 

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どんな運動部でも共通の「基本」の指導はしっかりと行う

たとえば、集合時間には遅刻しない、挨拶する、練習場所・器具・部室の清掃・整理整頓するなどです。
そのあたりの指導は、経験・未経験にかかわらず、運動部の顧問として毅然とした態度で行うところだと思います。

 

部によっては、掃除は下級生の仕事で上級生は一切行わない、というところもありますが、そのあたりは顧問の先生が介入してもよいところだと思います。
ただ、そういう場合も、下に述べるように「上級生の立場を立てる」ということは忘れないようにしてください。

キャプテンや上級生の立場を立てる

運動部 未経験 顧問

運動部は先輩後輩の上下関係がありますが、キャプテン・上級生の立場を立てるということが、顧問として最終的に運動部をうまく指導していく秘訣だと思います。

 

「上級生も下級生を同じ生徒」として同じように扱うのでなく、何かを行うときには、まずキャプテンに「こうしようと思うのだがどうだろうか?」と話することです。
と言っても、別にキャプテンや上級生に取り入るというのでは全くなく、こちらの意見を反映させたいときに、まずキーパーソンとなる彼らの耳に最初に入れ、その後改めて、全員に周知させるということです。
部員全員の耳に同時に入れるというのは、上下関係を全く無視しているということになり、生徒からの感情的対立を招くことになります。